コーヒーで血圧は上がる?カフェインレスコーヒーの血圧への影響

食事

コーヒーの歴史

コーヒーの歴史は古く、9世紀頃にエチオピアで発祥したとされています。最初はコーヒーチェリーの果肉を食べることでエネルギーを得る目的で使用されていました。その後、アラビア半島に伝わり、13世紀頃にはイスラム世界でコーヒー豆の焙煎と水出し法が広まりました。これが現在のコーヒーの飲み方の原型となります。

16世紀には、コーヒーはオスマン帝国を経由してヨーロッパへ伝わり、各地でコーヒーハウスが誕生しました。イギリスでは、17世紀にコーヒーハウスが知識人やビジネスマンたちの交流の場となりました。また、18世紀にはフランス革命が起きるきっかけの一つとしてコーヒーハウスも関係しています。

コーヒーの栽培は、17世紀にオランダがジャワ島で始め、さらに中南米やカリブ海に広がりました。19世紀にはブラジルがコーヒー生産の大国となり、今日までその地位を維持しています。コーヒーは世界中で愛される飲み物となり、多くの文化や歴史に関わってきました。今日では、エスプレッソやカプチーノなど、様々なスタイルで楽しまれています。

コーヒーと血圧の関係性

ポリフェノールによる血管修繕効果

コーヒーに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用があり、血管の内皮機能を改善する効果があります。これにより、血管が硬化しにくくなり、動脈硬化の予防に繋がるとされています。コーヒーにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれています。クロロゲン酸には強力な抗酸化作用があり、血圧を下げる他、糖尿病や肥満を抑制する効果があるといわれています。また、コーヒーを習慣的に飲む人は、習慣的に飲まない人に比べて高血圧のリスクが低下するという研究もあります。

カフェインによる一時的な血圧上昇

コーヒーに含まれるカフェインは、一時的に血圧を上昇させる作用があります。特にカフェインに対する感受性が高い人や、コーヒーを飲み慣れていない人は、摂取後に血圧が上がることがあります。ただし、これは一過性のものであり、長期的な血圧上昇には繋がらないとされています。

カフェインの摂取量の目安

適度なコーヒー摂取が血圧管理に役立つ一方で、過剰な摂取は逆効果になることがあります。一般的に、1日のカフェイン摂取量の目安は、健康な成人で400 mg程度とされています。これは、一般的なドリップコーヒーで約3杯分に相当します。なお、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性の摂取量目安は300mgとなっております。

参考:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~|厚生労働省

血圧上昇が気になる方にうれしいカフェインレスコーヒー

カフェインレスコーヒーとは

カフェインレスコーヒーとは、通常のコーヒー豆からカフェイン成分を除去したコーヒーのことを指します。フェイン含有量が90%以上低減されたコーヒーがカフェインレスコーヒーとされています。

カフェインの除去法

カフェインの除去には、主に3つの方法があります。

  1. 有機溶媒法
    有機溶媒法は、主にジクロロメタンやエチルアセテートといった有機溶媒を使用してカフェインを抽出する方法です。この方法は効率的であるため、広く用いられていますが、有機溶媒を用いるため、消費者の安全性への懸念があることから、日本を含む一部の国では使用が制限されています。
  2. 水法
    水法は、水と活性炭を使用してカフェインを除去する方法です。スイスウォータープロセスとも呼ばれています。この方法は、有機溶媒を使わないため、より環境に優しく安全性が高いとされています。カフェインの除去率も高いのに比較的コストがかからず、丁寧に処理をすれば通常のコーヒーと風味があまり変わらないのが特徴です。
  3. 二酸化炭素法 
    二酸化炭素法は、液体や超臨界状態の二酸化炭素を使用してカフェインを抽出する方法です。二酸化炭素は選択性が高く、主にカフェインのみを抽出するため、コーヒー豆の味や香りを損なわずにカフェインを除去できます。安全性が高く、カフェイン除去率も高いですが、大掛かりな設備が必要となるため、コストがかかります。

安全性やコスト面を考えると水法(スイスウォータープロセス)を用いた商品がおすすめです。

高血圧の方や妊娠・授乳中でも安心

カフェインレスコーヒーは、カフェインに敏感な人や、カフェイン摂取を制限したい高血圧の方、妊婦などにおすすめです。味や香りは通常のコーヒーとほぼ同じで、カフェインが抜かれていることによる副作用がないため、安心して飲むことができます。

まとめ

コーヒーを飲んだ際にはカフェインによる一時的な血圧上昇が起こります。ただしこれは一過性のものであり、慢性的な血圧上昇には繋がらないとされています。長期的に見ればコーヒーに含まれるポリフェノールの血管修繕効果により、血圧を下げる効果が期待できます。

それでも血圧上昇が気になる方には、カフェインレスコーヒーがおすすめです。カフェインの除去法も進化し、味や香りを損なわずに楽しめるようになっています。高血圧の方や妊娠・授乳中の方でも安心して飲むことができます。

自分に合ったコーヒーを選び、健康に配慮しながらも、コーヒーの豊かな香りと味わいを楽しみましょう。カフェインレスコーヒーを上手に活用すれば、血圧を気にせずに、リラックスしたコーヒータイムが過ごせることでしょう。

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